助詞は、古典文法でも現在私たちが使っている日本語でも用いられている大切な文法なんだ。
この記事では、本文読解の手掛かりとなる終助詞「なむ・ばや・がな」について説明していくよ。
- 終助詞=文末について一定の意味を添える働き
- 3つとも「願望」の意を添える働き
終助詞って何?
終助詞とは、文の終わりの語にくっついて、一定の意味を添える働きの助詞のことなんだよ。
「禁止・願望・詠嘆」などの強調表現のことをいうんだ。
「なむ・ばや・がな」の用法を覚えよう
これらの終助詞は3つとも「願望」を表す終助詞なんだけど、ちょっとずつ意味が異なっているんだ。1つずつ詳しく見ていこうね。
「なむ」→他への願望
自分以外の人やものに「~してほしい」とお願いするときに使う終助詞
【例】
いつしか梅咲かなむ。
(早く梅が咲いてほしい)
「ばや」→自己への願望
自分自身が「~したい」というときに使う終助詞
【例】
別当入道の庖丁を見ばや
(別当入道の庖丁裁きを見たい)
※この「ばや」が文末についていると、文の主語は絶対に「私」となるので注意。
「がな」→詠嘆願望
願望に詠嘆の表現が合わさって「~してほしいなあ/~したいなあ/(体言)があればなあ」といいたいときに使う終助詞。
本文中で主に用いられている表現としては次の6つ
① もが
② もがな
※①と②は上に体言を伴って「~あればなあ/~がほしい」と訳す。
【例】
あはれ、太刀がな
(ああ、太刀があればなあ)
③ てしが
④ てしがな
⑤ にしが
⑥ にしがな
③~⑥は連用形に接続して自己の希望「~したい」と訳す。
【例】
いかで、このかぐや姫を得てしがな
(なんとかしてかぐや姫を手に入れたい)
練習問題にチャレンジ
傍線部を口語訳せよ。
(1)大納言に知らせたてまつりばや。
(2)世の中にさらぬ別れのなくもがな
(3)なほいかで心として死にもにしがな
まとめ
助詞の用法は理解できたかな?古文独特の言い回しになれることが大切だ。しっかりどんな用法をするのか覚えておこうね。
- 終助詞=文末について一定の意味を添える働き
- 「なむ」→他への願望=自分以外の人やものに「~してほしい」とお願いするときに使う
- 「ばや」→自己への願望=自分以外の人やものに「~してほしい」とお願いするときに使う
- 「がな」→詠嘆願望=願望に詠嘆の表現が合わさって「~してほしいなあ/~したいなあ/(体言)があればなあ」といいたいときに使う
- 「もが」「もがな」=上に体言を伴って「~あればなあ/~がほしい」と訳す
- 「てしが」「てしがな」「にしが」「にしがな」=連用形に接続して自己の希望「~したい」と訳す