助動詞は古文読解のカギとなる重要な単元だ。
助動詞制すは古文を制す!しっかりポイントを押さえてマスターしようね。
この記事では助動詞「まじ」の詳しい意味と本文読解のカギとなる判別方法について解説します。
「まじ」は前回学習した「べし」と正反対の意味をもつ助動詞なんだけど、その特徴や判別方法はとても良く似ているんだよ。
- 打消推量の助動詞
- 終止形に接続する(ラ変型の活用語には連体形)
- 形容詞型に活用する
まじの活用の形を覚えよう!
「まじ」は形容詞型に活用するんだ。
古文読解では、様々な活用の形が問われるから、きちんと活用形をしっかり覚えておこうね。
まじの接続を覚えよう!
「まじ」は終止形に接続する。
ただし、ラ変型の活用語には連体形に接続するよ。
それぞれどの活用形に接続するのか、ごちゃごちゃにならないように区別して覚えておこうね。
まじの5つの意味をマスターしよう
まずは、「まじ」の文法上の意味についてお話ししよう。
「べし」には文法上5つの意味がある。
ちょっと数が多くて大変化も知れないんだけど、まずはこの5つをしっかり押さえておこう。
① 打消推量=~ないだろう、~まい
【例】
劣るまじけれ
(劣らないだろう)
② 打消意思=~ないつもりだ、~まい
【例】
仕うまつるまじきことを
(宮仕えするつもりである)
③ 打消当然=~はずがない、~ないに違いない
【例】
おそれおはしますまじき御身
(心配がおありになるはずのない御身)
④ 不適当・禁止=~ないのがよい、~てはならない
【例】
男の持つまじきものなれ
(男が持たないのがよい)
⑤ 不可能=~できそうもない
【例】
世にもあるまじき心地
(この世に生きていられそうにない心地)
さて、意味はばっちり覚えられたかな?
次はこれらの判別方法だよ。
5つも意味があると大変だけど、簡単に判別できるテクニックを身につけよう。
「まじ」は「べし」と正反対の意味である助動詞なんだけど、使われ方や判別方法は「べし」と変わらないんだ。
だから基本は、下のような本別方法になります。
① 「まじ」の下に「と思ふ」→打消意思で訳すべし
② 「まじ」の下に「体言」→打消当然で訳すべし
③ 主語が一人称→「打消意思」、二人称→「不適当・禁止」、三人称→「打消推量」で訳すべし
ただし、「べし」と大きく違うのは、「まじ」は下に打消語を伴わないということなんだ。
「まじ」事態に打消しの意味が込められているからなんだよ。
「まじ」で一番覚えておいてほしいことは、上に「え」を呼応するということだ!
《副詞の呼応(陳述の副詞)》
「え~まじ」=不可能で訳すべし
【例】
げにえ堪ふまじく
(本当に堪えることができない)
これは絶対重要だからね!しっかり覚えておこう。
「まじ」は「べし」同様に、判別がとても難しい助動詞の一つなんだ。
だから、判別方法だけでなく、しっかり文脈を押さえることも大事になってくるよ。
練習問題にチャレンジしよう
傍線部の助動詞の意味をそれぞれ答えよ。
(1)人はただ無常の身に迫りぬることを心にひしとかけて、つかの間も忘れるまじきなり。
(2)「死ぬまじきぞ。自害なせそ。」と仰せられにけり
まとめ!
助動詞は慣れるまでは大変だけど、助動詞制すは古文を制すというほど大事なんだ!
「まじ」の判別方法をしっかりマスターしようね。
- 終止形に接続する(ラ変型の活用語には連体形)
- 形容詞型に活用する
- 「打消推量」「打消意思」「打消当然」「不適当・禁止」「不可能」の5つの意味がある
- 「まじ」の下に「と思ふ」→打消意思で訳す
- 「まじ」の下に「体言」→打消当然で訳す
- 主語が一人称→「打消意思」、二人称→「不適当・禁止」、三人称→「打消推量」で訳す
- 「え~まじ」=不可能で訳す