助詞は、古典文法でも現在私たちが使っている日本語でも用いられている大切な文法なんだ。
この記事では、助詞のなかでも代表的な「が」と「の」について詳しく解説していくよ。
- 一番試験にでる最重要助詞
- 全部で5つの用法がある
5つの用法を覚えよう!
「が」も「の」も基本的には同じ用法で使われています。種類は全部で5種類。
ちょっと多いけど、中には現代の私たちが使っている日本語で聞きなれているものもあるから、覚えやすいよ。
① 主格=~が →上の語が主語であることを示す
【例】
雪の降りたるは
(雪が降っているのは)
紫式部が書けるも
(紫式部が書いているのも)
② 連体格=~の →上の語が連体修飾語(語を詳しくする)であることを示す。
【例】
竹取が家に
(竹取の翁の家に)
※現代の日本語と同じ用法!
③ 同格=~で →「が」「の」の上の語と下の語が=である関係を示す。
【例】
若き男の、死にて臥したるあり
(若い男で、新で横たわっている男がいる。)
※よくテストに出るから注意!
④ 準体格=~のもの →体言の代用
【例】
扇のにはあらで、海月のななり
(扇の骨ではなくて、海月のものなのでしょう。)
※現代の日本語と同じ用法!
⑤ 比喩=~のような/~のように →たとえ。「の」だけこの用法がある。
【例】
春日野の雲間をわけて生ひでくる草の
(春日野の雪の間をわけて生え出てくる草のように)
5つの用法の見分け方をマスターしよう。
ではこの5つの用法をどうやって判別していくか、そのコツを伝授しよう!
主に大事なのが①主格と③同格と⑤比喩だ。
この3つを押さえておこう。
②連体格と④準体格は今私たちが使っている日本語と同じ用法だから大丈夫だね。
1.「の」「が」下に用言が来たら主格
これも現代の日本語と同じなんだけど、注意するのは「の」の時だ。
下に用言が引っ付いていたら、「の」でも主語を表す主格の用法になるので注意だよ。
2.「の」「が」の下に体言が来たら連体格
現在でもおなじみのこの用法。
現在でいう「私の家」「私の本」「僕のカバン」と用法は同じだよ。
3.「の」「が」の下のほうに体言があってその下に用言がない場合は同格
「の」の前後で同じ人物や物の説明になっている場合のことだよ。
上の例でいうと「男」という人物に対して「若い」と「死して臥したる」という説明を「の」でつないでいるね。
この用法は特にテストで聞かれやすいから注意だよ。
4.「の」「が」の下が断定の助動詞「なり」や助詞ならば準体格
現在でもおなじみのこの用法。
現在でいう「私のものだ」「私のだ」というように「~のもの」という用法で訳す。
5.「の」「が」の上にたとえがあったら比喩
夢・雲・露・例といった抽象的な事象が上にあったらたとえとして使われている。
6.「の」の下に「、」があったら主格か同格で悩め
「、」があるかないかで候補がだいぶ絞られるね。
ここまで絞ったらあとはそれぞれの判別方法で見分けよう。
練習問題にチャレンジしよう
傍線部の助詞「が」「の」の用法をそれぞれ答えよ。
(1)日暮るるほど、例の集まりぬ。
(2)あさましげなる犬の、わびしげなるが、わななきあるく。
(3)夕日のさして、山の端いと近うなりたるに、
まとめ
助詞の用法は理解できたかな?古文独特の言い回しになれることが大切だ。しっかりどんな用法をするのか覚えておこうね。
《用法》
- 主格=~が →上の語が主語であることを示す
- 連体格=~の →上の語が連体修飾語(語を詳しくする)であることを示す。
- 同格=~で →「が」「の」の上の語と下の語が=である関係を示す。
- 準体格=~のもの →体言の代用
- 比喩=~のような/~のように →たとえ。「の」だけこの用法がある。
《判別方法》
- 「の」「が」下に用言が来たら主格
- 「の」「が」の下に体言が来たら連体格
- 「の」「が」の下のほうに体言があってその下に用言がない場合は同格
- 「の」「が」の下が断定の助動詞「なり」や助詞ならば準体格
- 「の」「が」の上にたとえがあったら比喩
- 「の」の下に「、」があったら主格か同格で悩め