助動詞は古文読解のカギとなる重要な単元だ。
助動詞制すは古文を制す!しっかりポイントを押さえてマスターしようね。
この記事では助動詞「べし」の詳しい意味と本文読解のカギとなる判別方法について解説します。
- 推量の助動詞
- 終止形に接続する(ラ変型の活用語には連体形)
- 形容詞型に活用する
べしの活用の形を覚えよう!
「べし」は形容詞型に活用するんだ。
2つとも特別の活用の仕方なんだ。
古文読解では、様々な活用の形が問われるから、きちんと活用形をしっかり覚えておこうね。
べしの接続を覚えよう!
「べし」は終止形に接続する。
ただし、ラ変型の活用語には連体形に接続するよ。
それぞれどの活用形に接続するのか、ごちゃごちゃにならないように区別して覚えておこうね。
べしの6つの意味をマスターしよう
まずは、「べし」の文法上の意味についてお話ししよう。
「べし」には文法上6つの意味がある。
ちょっと数が多くて大変化も知れないんだけど、まずはこの6つをしっかり押さえておこう。
① 推量=~だろう
【例】
咲きぬべきほどの梢
(今にも咲きそうなころの梢)
② 意思=~しよう
【例】
この一矢に定むべしと思へ
(この一矢で決めようと思え)
③当然・義務=~はずだ・~なけれならない
【例】
人死に憎まば、生を愛すべし。
(人を死を憎むならば)
④ 適当・勧誘=~がよい
【例】
作文のにぞ乗るべかりける
(作文の舟に乗ればよかった。)
⑤可能=~することができる
【例】
空も飛ぶべからず
(空を飛ぶことができない。)
⑥ 命令=~せよ。
【例】
主の髻と思ふべし
(主人の髻だと思え。)
さて、意味はばっちり覚えられたかな?
次はこれらの判別方法だよ。
6つも意味があると大変だけど、簡単に判別できるテクニックを身につけよう。
① 「べし」の下に「と思ふ」→意思で訳すべし
② 「べし」の下に「体言」→当然・予定で訳すべし
時・場合がはっきりしている場合は「予定」。その他は「当然」
③ 「べし」の下に「打消語」→「可能・命令」で訳すべし
ここまでが基本の判別方法だよ。
①~③のどれにも当てはまらなかったら④⑤を試してみよう。
④ 用言の上に「疑問・反語」+「べし」→「推量・可能」で訳すべし
「どうして」ときたら、訳し方は「~だろう」とか「~できないのか」となりやすいからだね。
⑤ 主語が一人称→「意思」、二人称→「適当・当然・命令」、三人称→「推量」で訳すべし
二人称の場合がちょっとやっかいだね。
二人称=あなたが主語の時は、
〇尊敬語+「べし」=適当
〇随筆(自分の考えを主張したいとき)=当然
〇軍記物語=「命令」
という3つを基準にして考えてみよう。
「べし」の意味はたくさんあってしかも、微妙なニュアンスで使い分けられているんだ。
だから、上の判別方法が当てはまらない場合も当然出てくる。
きちんと本文の文脈を把握しておくことが「べし」の意味をとる上で最重要となってくるから注意しようね。
練習問題にチャレンジしよう
次の傍線部の助動詞の意味をそれぞれ答えよ。
(1)深き志は、この海にも劣らざるべし
(2)男、わづらひて、心地死ぬべく覚えければ、
(3)勝負を決すべからず
(4)いかにしての忍び入らせ給ふべし
まとめ!
助動詞は慣れるまでは大変だけど、助動詞制すは古文を制すというほど大事なんだ!
「まし・らし」の判別方法をしっかりマスターしようね。
- 終止形に接続する(ラ変型の活用語には連体形)
- 形容詞型に活用する
- 「推量」「意思」「当然・義務」「適当・勧誘」「可能」「命令」の6つの意味がある。
- 「べし」の下に「と思ふ」→意思で訳す
- 「べし」の下に「体言」→当然・予定で訳す
- 「べし」の下に「打消語」→「可能・命令」で訳す
- 用言の上に「疑問・反語」+「べし」→「推量・可能」で訳す
- 主語が一人称→「意思」、二人称→「適当・当然・命令」、三人称→「推量」で訳す