助動詞は古文読解のカギとなる重要な単元だ。
助動詞制すは古文を制す!しっかりポイントを押さえてマスターしようね。
この記事では助動詞「まし」「らし」の詳しい意味と本文読解のカギとなる判別方法について解説します。
- 「まし」は反実仮想・意思・希望の助動詞
- 「まし」は特殊型
- 「まし」は未然形に接続する
- 「らし」は推定の助動詞
- 「らし」は無変化型
- 「らし」は終止形に接続する
まし・らしの活用の形を覚えよう!
「まし」は特殊型、「らし」は無変化型に活用するんだ。
2つとも特別の活用の仕方なんだ。
古文読解では、様々な活用の形が問われるから、きちんと活用形をしっかり覚えておこうね。
まし・らしの接続を覚えよう!
「まし」は未然形に接続し、「らし」は終止形に接続する。ただし、ラ変型の活用語には連体形に接続するよ。
それぞれどの活用形に接続するのか、ごちゃごちゃにならないように区別して覚えておこうね。
ましの2つの意味をマスターしよう
「まし」は「反実仮想」と「ためらいの意思・実現不可能な希望」の文法上の意味についてお話ししよう。
「まし」には文法上2つの意味がある。
まずはこの2つをしっかり押さえておこう。
① 反実仮想=もしも~としたら~だろうに
【例】
桜のなかりせば春の心はのどけからまし
(もしも桜がなかったとしたら人の心のんびりしたものだろうに)
② ためらいの意志・実現不可能な希望=~しようかしら/できれば~ならよかったのに
【例】
これに何を書かまし。
(これに何を書こうかしら。)
さて、意味はばっちり覚えられたかな?
次はこれらの判別方法だよ。
① 上に「仮定」表現+「~まし」→反実仮想の意味で訳すべし
上に「仮定」表現=「未然形+ば」といった表現の下に「まし」が付く場合は反実仮想「もし~だったら、~だろうに」という意味になる。ただし、「まし」は省略される場合があるので注意。
だから、「まし」の意味は「反実仮想」である可能性が大!
② 上に「疑問」表現+「~まし」→「ためらいの意思」の意味で訳すべし
上に「疑問」表現=「いかに」「や」「なに」+「~まし」の場合は「~しようかしら」と訳す場合がある。
だから、「まし」の意味は「ためらいの意思」の意味で訳そう。
わかったかな?①②以外は「実現不可能な希望」で訳そう。
このように、「まし」があったらすぐ上を見るようにしよう。
らしの意味をマスターしよう
「らし」は「推定」の1つの意味しかない。しっかり覚えておこう。
① 推定=~らしい/~にちがいない
【例】
春過ぎて夏来たるらし=春が過ぎて夏が来たらしい。
「らし」は推定なんだけど、「根拠のしっかりした推定」を表しているんだよ。
また特徴として「らし」は基本的に和歌以外では使用されないんだよ。
練習問題にチャレンジしよう
次の文の傍線部の助動詞の意味をそれぞれ答えよ。
(1)もしあらましかば、この僧の顔に似てん。
(2)しやせまし、せずやあらましと思ふことは、おほやうは
まとめ!
助動詞は慣れるまでは大変だけど、助動詞制すは古文を制すというほど大事なんだ!
「まし・らし」の判別方法をしっかりマスターしようね。
- 「まし」は特殊型
- 「まし」は未然形に接続する
- 「まし」は反実仮想・意思・希望の助動詞
- 上に「仮定」表現+「~まし」→反実仮想の意味に訳す
- 上に「疑問」表現+「~まし」→「ためらいの意思」の意味で訳す
- それ以外は「実現不可能な希望」
- 「らし」は推定の助動詞
- 「らし」は無変化型
- 「らし」は終止形に接続する
- 「らし」は「根拠のしっかりした推定」という文法上の意味。