助詞は、古典文法でも現在私たちが使っている日本語でも用いられている大切な文法なんだ。
この記事では、助詞のなかでも特に重要な格助詞について説明していくよ。
- 3つの用法がある
- 他の「して」と判別に注意
3つの用法を覚えよう!
「して」は3つの用法があります。まずはそれをきっちり覚えていこう。
① 方法・手段=~で
【例】
およびの血して書きつけける
(指の血で書きつけた)
② 使役の対象を示す=~に(命じて)※使役=(人に)~させる
【例】
かたはらなる人して言はすれば
(そばにいる女房に言わせると)
③ 動作の共同者を示す=~と(共に)
【例】
一人二人して行きけり
(一人二人と共に行った)
これをしっかり覚えて次の判別方法をマスターしよう!
判別方法をマスターしよう
その① 「して」が格助詞かどうかを見極めよう。
まず、まぎらわしいことに本文中に「して」があっても、
A 格助詞の「して」 B 接続助詞の「して」 C サ変動詞「す」の連用+接続助詞「て」
この3つの可能性があるんだ。その見分け方を説明しよう。
①「して」が用言に接続してその下に「、」がある=接続助詞
② 体言に接続して「~する」と訳すことができる=サ変動詞+接続助詞
③ 体言に接続して「~する」と訳せない=格助詞
上記の見分け方は絶対覚えて!
これがわからないと、「格助詞 して」の3つの用法を判別することはできませんよ!
では、次に「格助詞して」の3つの用法の判別方法を説明しよう。
①「して」の上が人間以外=方法・手段
②「して」の上が人間+下に使役の助動詞(す・さす・しむ)・動詞(遣る)=使役の対象を表す
③「して」の上が人間+下に使役無し=動作の共同者
これをしっかり覚えよう。
これさえマスターしてしまえば、格助詞「して」はもう大丈夫!
練習問題にチャレンジ
傍線部の格助詞「して」の意味を答えよ。
(1)人して惟光召させて
(2)長き爪してまなこをつかみつぶさむ
(3)のどかに物語して帰りぬる
まとめ
助詞の用法は理解できたかな?古文独特の言い回しになれることが大切だ。しっかりどんな用法をするのか覚えておこうね。
《用法》
- 方法・手段=~で
- 使役の対象を示す=~に(命じて)
- 動作の共同者を示す=~と(共に)
《判別方法 格助詞かどうか》
- 「して」が用言に接続してその下に「、」がある=接続助詞
- 「して」の上が人間+下に使役の助動詞(す・さす・しむ)・動詞(遣る)=使役の対象を表す
- 上記以外=格助詞
《判別方法 格助詞「して」の用法》
- 「して」の上が人間以外=方法・手段
- 「して」の上が人間+下に使役の助動詞(す・さす・しむ)・動詞(遣る)=使役の対象を表す
- 「して」の上が人間+下に使役無し=動作の共同者