古典文法の基礎

歴史的仮名遣いとは?読み方7つの決まりを解説!

今回のテーマは「歴史的仮名遣い」についてです。

古典でつまずく人は、この歴史的仮名遣いが良くわからないって人が多いよね。

この記事では、歴史的仮名遣いとは何なのか、どのように勉強したらいいかしっかり解説します!

  • 古典独特の表現である歴史的仮名遣いに慣れる
  • 歴史的仮名遣いを現代的仮名遣いに直す

歴史的仮名遣いとは

歴史的仮名遣いとは、簡単に言うと、古文の時代の人々が書き言葉として使っていた表現技法なんだ。書き言葉=仮名遣いって感じだよ。

昔の人が使っていた言葉だから「歴史的仮名遣い」っていう名前がついているんだ。

反対に現代人である私たちが使っている書き言葉を「現代仮名遣い」っていうんだよ。

 

良く出題される問題として、歴史的仮名遣いを現代仮名遣いに直すというものがある。

言葉にすると難しいかもしれないけど、直し方は慣れれば本当に簡単なんだ。

だからしっかりマスターして、この問題が出たらサービス問題だ!っていうくらいになろうね。

歴史的仮名遣いの読み方

では、歴史的仮名遣いの読み方についてレクチャーしよう。

ずばり、決まりが6個あるのでそれを覚えたらいいだけ!

 

しかも、ほとんど現代語で私たちが使っている言葉ばかりだから、どれも馴染みのある決まりばかりだよ。

歴史的仮名遣いの決まり

決まり①

ハ行「は・ひ・ふ・へ・ほ」は「ワ・イ・ウ・エ・オ」と読むべし。

ただし、単語の最初のハ行はそのまま読もう。

『例』

  • ほひ→ニオイ
  • はな →ハナ

 

決まり②

ワ行「わ・ゑ・を」は「い・え・お」と読むべし。

 

決まり③

語中の「む」、助動詞「む」「らむ」「けむ」助詞「なむ」の「む」は「ン」と読むべし。

 

決まり④

「ぢ」・「づ」は「じ」・「ず」と読むべし。

 

決まり⑤

「くわ」・「ぐわ」は「か」・「が」と読むべし。

 

決まり⑥

母音(a・i・u・e・о)が連続する場合は長音=伸ばす音で読むべし。

  • あう(au)=おー(о)   かうい(更衣)=kaui=koi=こーい=こうい
  • いう(iu)=ゆー(yu)  しうく(秀句)=siuku=syuku=しゅーく=しゅう
  • えう(eu)=よー(уо)  てうし(調子)=teusi=tyosi=ちょーし=ちょう
  • おう(оu)=おー(о)   おうな(媼)=ouna=ona=おーな=おうな

⑥の読み方はちょっと手こずる人もいるかもしれないね。

コツは、慣れるまで歴史的仮名遣いをローマ字で書いてみよう。

そしたら隠れている母音の連続が見つけやすくなるよ。

注意しなければならないのは、長音「ー」を書くときは「う」に直してから書くことだよ。

 

決まり⑦

母音に「ふ」がつく場合も①と⑥の決まりにより長音で読むべし。

『例』

にふだう(入道)=nifudau=①よりniudau

=niudau=⑥よりniyudo=にゅーどー=にゅうどう

ちょっとややこしいけど、まず①の決まりを見つけてそこから⑥の決まりを探してみよう。

慣れるまではローマ字に直してみるといいね!

練習問題にチャレンジしよう!

ここまでのポイントの整理はできたかな?いよいよ練習問題にチャレンジだ!

次の古語の読み方を現代仮名遣いに直して書け。

  1. ゑひ
  2. よろづ
  3. えうなし
  4. くわんぱく
  5. をむな
  6. のたまふ
解答はこちら

(1)えい (2)よろず (3)ようなし (4)かんぱく (5)おんな (6)のたもう

みんなできたかな?

(6)以外は決まりポイント①~⑤までにあてはめたらよいだけだから簡単だったよね。

(6)は⑥と⑦を使って考えよう。

(2)のたまふnotamafu=①を使って

notamau =⑥を使ってnotamo=のたもー=のたもう

まとめ

最初は難しいけど、慣れてきたらとっても簡単な歴史的仮名遣い。ポイントを押さえて得意になろう!

まとめ!
  • ハ行「は・ひ・ふ・へ・ほ」は「ワ・イ・ウ・エ・オ」と読むべし。
  • ワ行「わ・ゑ・を」は「い・え・お」と読むべし。
  • 語中の「む」、助動詞「む」「らむ」「けむ」助詞「なむ」の「む」は「ン」と読むべし。
  • 「ぢ」・「づ」は「じ」・「ず」と読むべし。
  • 「くわ」・「ぐわ」は「か」・「が」と読むべし。
  • 母音(a・i・u・e・о)が連続する場合は長音=伸ばす音で読むべし。
  • 母音に「ふ」がつく場合も①と⑥の決まりにより長音で読むべし。