私たちが普段使っている言葉には文・文節・単語という種類に分けることができる。
これは古典の文章でも同じなんだ。
この記事ではそんな文の種類について解説していくよ。
学習ポイントは次の通りだ!
- 文=書き手の考えや感情を表したひと続きのもの。文末には句点がつく。
- 文節=文を意味の分かる範囲で短くしたもの「ネ」で切れる。役割の違いで5つにわけることができる。
- 単語=文節をさらに短く区切ったもの。これ以上は分けられない。
文・文節・単語の違いとは
文
文とは、ひと続きの言葉のまとまりのことだ。
文末には句点「。」のほか、「?」や「!」もついたりするよ。
この文がまとまったものを「文章」というんだ。
【例】
丹波に出雲といふところあり。
文節
文節とは、文を意味の分かる範囲で区切ったものだ。
ここで重要なポイントは、文節を分けるときには文節と文節の間に「ネ」を入れるということだ。
【例】
丹波には「ネ」/出雲と「ネ」/いふ「ネ」/所「ネ」/あり「ネ」
「ネ」を入れて読んでも意味が通じるだろう?
意味が通じないところには「ネ」を入れることができないよ。
例:✖ 丹波に「ネ」は
単語
単語は、文節をもう一段階細かく区切ったものだ。
もうこれ以上分けることができない最小のものなんだよ。
【例】
丹波 / に / 出雲 / と / いふ / 所 / あり
文節にも種類がある
文節にはその役割によって5つの種類に分けることができるんだ。
この役割のことを「文の成分」といいます。それぞれ詳しく見てみよう。
主語の文節
「何が」「どれが」にあたる文節のこと
【例】 私が 男が
述語の文節
「どうする」「どんなだ」にあたる文節のこと。
【例】咲きぬ。 あり。
修飾語の文節
下の文節にかかって、下の文節を詳しくしているもの。
【例】美しく 赤き
接続語の文節
文節と文節をつなぐ役割
【例】されど なれど
独立語の文節
他の文節と関係ない、独立しているもの。感情をあらわすときや呼びかけるときに使うよ。
【例】あはれ
文節と文節の関係とは
この5種類の文節は、ほかの文節との間に関係性が成り立つんだ。
6つの関係があるからそれぞれのポイントを整理しよう。
主語・述語の関係
A:花(主語) B:咲きぬ。(述語)
文節同士が、「だれが」・「どうした」という関係になること。
修飾・被修飾語の関係
A:美しく(修飾語) B:咲きぬ(述語)
A:かわいらしき(修飾語) B:稚児(主語)
上の文節が下の文節を詳しくしている関係になること。
対等の関係
A:野も B:山も
同じ意味合いで使われている文節の関係のこと。「並立」・「並列」の関係とも言う。
補助・被補助の関係
A:咲き B:侍りぬ
これはちょっと難しいんだけど、下の文節が上の文節にくっついて敬意などを表したいときの関係なんだ。
上の例で説明すると、「咲く」という文節に「侍り=ました」という文節をくっつけて「咲きました」と丁寧に表しているんだ。
接続の関係
A:されど(接続語) B:散らむ(述語)
接続語を挟んで、文と文をつなげる関係のこと。
独立の関係
A:あはれ、(独立語) 花散らむ
独立語は、ほかの文節との関係が薄いこと。
練習問題
上記のポイントを踏まえて、練習問題にチャレンジだ。
【問題】
(1)次の文を文節と単語にそれぞれ区切りなさい。
- 世の中になき花の木たてり。
(2)次の文の傍線部の種類を答えなさい。
ア:雨
イ:降りぬ。
ウ:されど行かむ。
(3)次の文の2つの傍線部の関係を答えなさい。
① ア:あな、いみじ。犬を蔵人ふたりしてイ:打ち/たまふ。
② 昔、うつくしき/男 ありけり
まとめ
文節・単語の区切り方、文節の種類は理解できたかな?しっかりと基本を押さえようね。
- 文=書き手の考えや感情を表したひと続きのもの。文末には句点がつく。
- 文節=文を意味の分かる範囲で短くしたもの「ネ」で切れる。役割の違いで「主語」「述語」「修飾語」「接続語」「独立語」の5つにわけることができる
- 単語=文節をさらに短く区切ったもの。これ以上は分けられない。
- 文節の関係=文節同士で成り立つ関係のこと。「主語・述語の関係」「修飾・被修飾の関係」「補助・被補助の関係」「接続の関係」「独立の関係」の5つがある。