助動詞は古文読解のカギとなる重要な単元だ。
助動詞制すは古文を制す!しっかりポイントを押さえてマスターしようね。
この記事では助動詞「なり」「たり」の詳しい意味と本文読解のカギとなる判別方法について解説します。
- 「なり・たり」は断定の助動詞
- 「なり・たり」は形容動詞型に活用
- 「なり」は体言や活用語の連体形に接続する。
- 「たり」は体言に接続する。
なり・たりの活用の形を覚えよう!
2つとも形容動詞型に活用するんだ。
古文読解では、様々な活用の形が問われるから、きちんと活用形をしっかり覚えておこうね。
なり・たりの接続を覚えよう!
「なり」は体言や活用語の連体形に「たり」は体言にそれぞれ接続するんだ。
体言は、名詞や代名詞のことだったね。
それぞれどの活用形に接続するのか、ごちゃごちゃにならないように区別して覚えておこうね。
なり・たりの文法上の意味と判別方法をマスターしよう
「なり」「たり」は2つとも文法上の意味は「断定」を表します。
でもね、同じ「断定」の助動詞でも、少しニュアンスが異なるんだ。1つずつ詳しく見ていきましょう。
「なり」の文法上の意味と注意点
① 断定=~だ、~である
【例】
この国の人にもあらず、月の都の人なり。
(この国の人間ではなく、月の世界の人間である。)
② 所在・存在=~にいる・~にある
【例】
春日なる三笠の山に出でし月かも
(春日にある三笠の山に出ていたのと同じ月であるよ。)
意味は大丈夫かな?
つぎに「なり」の注意点をお話しするよ。
これがけっこうやっかいで、テストにも出やすいんだ。
判別方法と注意点
上に体言があって下に「ぞ・なむ・や・か・こそ」の係助詞またはラ変動詞があれば断定の助動詞「なり」の連用形「に」
↑これ絶対覚えといて!
連用形である「に」の識別が要注意なんだ。
「に」はいろいろな助動詞の活用形にあって、それぞれどの助動詞の活用形なのか見分ける必要がある。
断定の助動詞「なり」の「に」を見分けるのはこれが決め手だから、絶対覚えておいてね。
「たり」の文法上の意味と注意点
① 断定=~だ、~である
【例】
忠盛、備前の守たりし時
(忠盛が、備前の守であったとき)
「たり」の意味は断定の1つだけなんだ。
判別方法も、上に体言があったらというとってもシンプルなものなんだ。
簡単だね。しっかり押さえておこう。
練習問題にチャレンジしよう
(1)傍線部の「に」のうち、断定の助動詞「なり」の連用形「に」をすべて選び記号で答えよ。
① 父はなほ人 a に て、母なむ藤原なりける。
② 京 b に 思ひ人なき c に しもあらず
(2)傍線部の助動詞の意味をそれぞれ答えよ。
① 行きかふ年もまた旅人なり
② 駿河なる宇津の山べのうつつにも
③ いまだ安芸の守たりし時
まとめ
助動詞は慣れるまでは大変だけど、助動詞制すは古文を制すというほど大事なんだ!
「めり」「なり」の意味の違いや判別方法をしっかりマスターしようね。
- 「なり」は「断定」「存続・所在」の意味がある
- 「たり」は断定の意味がある
- 「なり・たり」は形容動詞型に活用
- 「なり」は体言や活用語の連体形に接続する。
- 「たり」は体言に接続する。
- 上に体言があって下に「ぞ・なむ・や・か・こそ」の係助詞またはラ変動詞があれば断定の助動詞「なり」の連用形「に」