助動詞は古文読解のカギとなる重要な単元だ。
助動詞制すは古文を制す!しっかりポイントを押さえてマスターしようね。
この記事では助動詞「き」「けり」の文法上の意味の違いや使われ方について解説します。
- 2つとも「過去」の意味をもつ助動詞
- 「き」は特殊型の活用
- 「けり」はラ変型の活用
- 2つとも連用形接続
き・けり活用の形を覚えよう!
まずは「き」の活用形について確認しよう
「き」の活用は特殊型なんだ。
この特殊型は今までの活用パターンが当てはまらないからもう暗記してしまおう。
しかも「き」は古典文法の基本中の基本だからね。
本文の中にも特に多く使われているんだ。
次に「けり」の活用形について確認しよう。
「けり」はラ変型の活用パターンだね。
古文読解では、様々な活用の形が問われるから、きちんと活用形をしっかり覚えておこうね。
き・けりの接続を覚えよう!
「き」「けり」はどれちらとも動詞の連用形に接続するんだよ。
き・けりの文法上の意味をマスターしよう
「き」「けり」は2つとも文法上の意味は「過去」を表します。
でもね、同じ過去の助動詞でも、少しニュアンスが異なるんだ。
「き」は、「直接過去」、「けり」は「関節過去(伝聞過去)」といいます。
詳しく違いを説明しましょう。
「き」=直接過去
直接過去とは、自分で見聞きし体験した物事を表すときに使います。
訳し方=「~した」
【例】
京より下りしときに、
(京から土佐に下ったときに)
京から出て行ったのは自分自身の行動だから、直接過去の「き」を使うんだよ。
「けり」=関節過去(伝聞過去)
関節(伝聞)過去とは、他人が体験したことを別の人に伝えるときに使います。
すなわち間接的な過去の体験を、聞いて伝えるから「関節(伝聞)過去」というんだ。
訳し方=「~したそうだ」
【例】
今は昔、竹取のおきなといふものありけり。
(昔々、竹取の翁という人がいたそうだ。)
竹取の翁という自分とは別人が存在していたんだよね。
だから、関節(伝聞)過去の「けり」を使うんだよ。
実は「けり」にはもう一つ文法上の意味があります。
それは「詠嘆(気づき)のけり」といわれるものだよ。
「けり」=詠嘆(気づき)
初めてそのことに気づいた感想を表すときに使います。
主に会話文や、和歌の中で用いられるんだよ。
訳し方=「~だなあ」
① 会話文中の「けり」ならば、詠嘆(気づき)を疑え
② 和歌の「けり」は詠嘆(気づき)
② 「~なりけり」ならば、ほとんど詠嘆(気づき)になる。「~だなあ」と訳すから。
逆をいうとこの3つ以外の「けり」はすべて関節(伝聞)過去となるんだ!
練習問題にチャレンジしよう
次の傍線部の助動詞の意味を答えなさい。
(1)昔の若人は、もの思ひをなむしける
(2)「今宵は十五夜なりけり」と思し出でて、
(3)昨日今日とは思はざりしを
まとめ
助動詞は慣れるまでは大変だけど、助動詞制すは古文を制すというほど大事なんだ!
「き」「けり」の意味の違いや判別方法をしっかりマスターしようね。
- 「き」は特殊型の活用
- 「けり」はラ変型の活用
- 2つとも連用形接続
- 2つとも「過去」の意味をもつ助動詞だが、少し異なる意味をもつ
- 「き」=直接過去~した
- 「けり」=関節(伝聞)過去~だそうだ
- 「けり」=詠嘆~だなあ
- 「けり」が詠嘆になるのは①会話文②和歌③「~なりけり」の3パターン