助動詞は古文読解のカギとなる重要な単元だ。
助動詞制すは古文を制す!しっかりポイントを押さえてマスターしようね。
この記事では助動詞「す」「さす」「しむ」の意味と本文読解のカギとなる判別方法について解説します。
- 活用はすべて下二段型
- 「す」=四段・ナ変・ラ変動詞の未然形に接続する
- 「さす」=四段・ナ変・ラ変以外の動詞の未然形に接続する
- 「しむ」=活用語の未然形
- 「使役」「尊敬」の2つの意味をもつ
す・さす・しむ活用の形を覚えよう!
基本形 | す | さす | しむ |
未然形 | せ | させ | しめ |
連用形 | せ | させ | しめ |
終止形 | す | さす | しむ |
連体形 | する | さする | しむる |
已然形 | すれ | さすれ | しむれ |
命令形 | せよ | させよ | しめよ |
「す」「さす」「しむ」のどれも活用の型は下二段型の活用だよ。
古文読解では、様々な活用の形が問われるから、きちんと活用形をしっかり覚えておこうね。
す・さす・しむの接続を覚えよう!
「す」「さす」「しむ」どれも動詞の未然形に接続するのは同じなんだけど、「す」は四段・ナ変・ラ変動詞、「さす」は四段・ナ変・ラ変以外の動詞、「しむ」は活用語の未然形に接続するんだよ。
「す」「さす」は和文(日本独特の文)、「しむ」は漢文訓読において使われることが多いよ。
す・さす・しむ2つの意味をマスターしよう
「す」「さす」「しむ」には文法上2つの意味がある。
まずはこの2つをしっかり押さえておこう。
① 使役=~せる・~させる
【例】 あづけて養はす=あずけて育てさせる
② 尊敬=お~なさる・~なさる
【例】 御学問にはせさせ給へ=学問になさいませ
さて、意味はばっちり覚えられたかな?
次はこれらの判別方法だよ。
一発で判別できるテクニックを身につけよう。
まずは、「す」「さす」「しむ」の下に尊敬語があるかないかをチェックするところからスタートだ。
この尊敬語の有無が大事なポイントとなってくるよ。
「す」「さす」「しむ」の下に尊敬語がない=絶対に「使役」の意味になる
下に尊敬語がなかった場合は必ず「使役」の意味になるよ!
大事な決まりだから覚えよう。
「す」「さす」「しむ」の下に尊敬語がある=使役の対象があるかないかで見分ける
① 上の文節に使役の対象(用言+に)がある=使役
② 上の文節に使役の対象が無い=尊敬
*「す」「さす」「しむ」が「尊敬」になるときは、下に尊敬語があって、上に使役の対象がいない時だけ!
練習問題にチャレンジしよう
次の文の傍線部の助動詞の意味を答えなさい。
(1) 母、一尺の鏡を鋳させて
(2) あながちに御前去らず、もてなさせ給ひしほどに
(3) 題出だして、女房にも歌読ませたまふ。
まとめ
助動詞は慣れるまでは大変だけど、助動詞制すは古文を制すというほど大事なんだ!
「す」「さす」「しむ」の判別方法をしっかりマスターしようね。
- 活用はすべて下二段型
- 「す」=四段・ナ変・ラ変動詞の未然形に接続する
- 「さす」=四段・ナ変・ラ変以外の動詞の未然形に接続する
- 「しむ」=活用語の未然形
- 「使役」「尊敬」の2つの意味をもつ
- 下に尊敬語がなかった場合は必ず「使役」の意味
- 下に尊敬語があり上の文節に使役の対象(用言+に)がある=使役
- 下に尊敬語があり上の文節に使役の対象(用言+に)がない=尊敬